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香川武文議員

 町内会における募金活動の実態について、市民生活部長にお伺いをいたします。

 申すまでもなく、本市のコミュニティー活動、まちづくりは、その多くを町内会組織に支えられており、広報等の配布から自警消防隊や自主防災組織はもとより、町内会独自の自主性やアイデアの中で、子ども見守り活動や独居生活をしているお年寄りへの声かけ活動、高齢者と子どもとの交流活動など積極的に実施をしている町内会も多く、民法上ではあくまでも任意団体として位置づけられる町内会組織は、もはや行政に頼られる存在から、行政が依存する組織団体になっているのが現状であると思っております。
 当然、町内会活動については、ただいま申し上げた活動のみならず、直接的には市行政とは関係がないかもしれませんが、市役所を経由して社会福祉協議会の会費の徴収や赤い羽根や歳末助け合い等、各種募金も積極的に行っている、いや行わされているのも実態ではなかろうかと思っております。しかしながら、昨今、この募金活動が他市において問題になっている事例もあり、本市でも円滑なコミュニティー活動の推進という視点からも、こうした事例をきちんと把握しながら、参考にしなければならないと考えるところであります。
 一つの事例を紹介いたしますが、昨年4月3日、赤い羽根共同募金会への募金や日本赤十字社への寄附金など自治会費と一緒に徴収することの是非が争われた訴訟の上告審で、最高裁は自治会側の上告を棄却する決定をしました。これにより募金の自治会費、本市では、多くは町内会費と言われておりますが、町内会費への上乗せを違法とした二審大阪高裁判決が確定したのであります。提訴していたのは、滋賀県甲賀市の自治会会員の5人で、5人が所属する自治会は、平成18年、年間の自治会費を値上げし、増額分は募金などに充てることを決議、原告の5人は募金の強制で個人の思想、信条を侵害し、違憲として決議の無効確認を求めておりました。
 一審大津地裁では、赤い羽根共同募金会や日本赤十字社が特定の政治的思想や宗教とは無関係なことを挙げ、思想、信条への影響は間接的などとして5人の請求を退けていたのですが、これに対し二審判決は、自治会費を払わないと生活上、必要不可欠な自治会から脱会させられるおそれがあることを指摘し、募金の自治会費上乗せを事実上の強制で、社会的に許容される限度を超えているとして、自治会の決議は無効と判断したのであります。
 大阪高裁で昨年8月24日に下された判決でありますが、大阪高裁では思想、信条の自由を侵害しており、公序良俗に反するという判決ですので、自治会が会費上乗せをした強制的な募金は、明らかな憲法違反となったのであります。
 また、自治会、町内会による寄附、募金集めをめぐっては、この事例のほかにも理解、合意を得ずして町内会費から経常的に寄附、募金を支出したり、班長等の役員さんが寄附を集める活動を半ば強要されるなど、各地でも問題となっている事例があるのが実情であります。
 先ほど申し上げたとおり、本市町内会においても赤い羽根募金や歳末助け合いなど、基本的には強制力はないとは思っておりますが、いわゆる理解、合意を得ない強制徴収が違憲と判断された以上、今後、全国的に自治組織にもこうした部分が波及をしてくるということは、ある意味当然であり、行政としても関心を持つべき課題であると考えるところであります。
 当然、募金に関しては志木市のほうで強制的に賦課していると申しているのではなく、もちろん各町内会のそれぞれの自由意思でありますが、さきの事例においても、自治会費への上乗せ募金や町内会費からの募金への経常的な支出は、ある意味徴収の合理性を追求したものと言えます。地域のコミュニティーが強固であった昔と違い、希薄化された現状で合理性を追求することは妥当とまではいかなくても、コミュニティーを維持する以上はいたし方のないことかもしれませんが、一方で町内会費からの理解、合意形成や意思決定を得ない徴収というものは、募金という善意の行動原理とはやや趣が異なる事象だとも感じるところであります。
 町内会に募金を依頼するのも、募金を受けるのも直接市は関係しないのだから、市がその徴収方法まで関知する必要はないと、市民生活部長がお考えになっているとは到底思えませんが、来年は市制施行40周年とあわせ、花火大会も実施の予定であり、おのずと町内会のかかわりが予測されることからも、合理性を伴う募金、寄附等の徴収が違憲に当たらないよう、さらに円滑なコミュニティーの形成という観点からも、原点に立ち返る必要があろうかと思います。
 以上、市として本市町内会の募金活動についてどのように認識をしているのか、また、各町内会の募金徴収の現状、実態把握をされているのか、町内会が担っている各募金において、それぞれ町内会からの募金の占める比率はどれぐらいなのか、今後の対策とあわせて市民生活部長にお尋ねをいたします。

答弁者 小山博久市民生活部長

 香川議員のご質問について、ご答弁申し上げます。
 現在、町内会がかかわる共同募金をはじめとする各種募金活動につきましては、埼玉県共同募金会志木市会が行う赤い羽根共同募金と歳末助け合い募金、また日本赤十字社志木市地区が行う社資の募金があります。埼玉県共同募金志木会が行う共同募金活動方法につきましては、社会福祉協議会の地区委員が募金活動を行っており、地区委員は各町内会の代表を兼ねているとのことであります。また、日本赤十字社志木市地区が行う社資の募金方法につきましては、規約により協賛委員として町内会長が地区長の推せんにより埼玉県支部長から委嘱され、それぞれの団体の委員として募金活動が実施されているところであります。
 なお、これらによる募金活動の占める割合についてでありますが、それぞれ平成20年度実績で、赤い羽根共同募金では総額の約68パーセント、歳末助け合い募金では総額の約74パーセント、そして日本赤十字社社資では99パーセントを占めているとのことであります。
 いずれにいたしましても、このような募金活動はあくまで任意の募集行為であり、強制的な徴収や極度の割り振り徴収があるとすれば、事業本来の趣旨を損ねることについては十分認識をしているところであります。
 また、来年は市制40周年の節目の年として、志木市観光協会主催による市民花火大会も予定されていることから、募金方法等に関しトラブルが生じないよう関係各機関に必要な周知を図ってまいりたいと存じます。


                                    
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