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行政サービスのデジタル化に向けて

毎月発行している広報しきに連載中の市長コラム「以心伝心」に掲載された内容を掲載しています。

令和2年11月号掲載分

行政サービスのデジタル化に向けて

 

国においては、菅政権が発足し、マイナンバーカード普及の推進や行政手続きのオンライン化などを目指したデジタル庁の創設が打ち出されました。また、IoTやAI・ビッグデータなどを活用し、自治体の課題解決を図る「スマートシティ構想」や、交通、防災、教育、医療・介護など、さまざまな分野のデータを横断的に活用し、新たな行政サービスの展開を図るダイナミックな「スーパーシティ構想」の検討も進められています。

市役所においても「新しい生活様式」への対応は待ったなしの状況であり、現在、その取組の一つとして、「市役所に行かなくていい仕組みづくり」と銘打ち、行政手続きのインターネット申請をはじめとするICTの活用に向け、職員一人ひとりが知恵を出し合っているところです。

具体的には、4月からICT戦略室を新たに組織し、市民の皆さまの利便性の向上や事務の効率化といった視点から、ICTを活用した新たなサービスの実現に取り組んでいます。実証実験の段階ではありますが、粗大ゴミの回収申込みや新生児子育て応援金の申請などができる「LINEを活用した電子申請」や、皆さまの問合せに24時間AIが回答する「AIスタッフ総合案内サービス」など、具体的な成果も見えています。今後においては、マイナンバーカードを活用し、スマートフォンから住民票の写しなどを請求できる「スマート申請」の実施に加え、窓口で発行する住民票の写しや戸籍証明書などの手数料の支払いにキャッシュレス決済を導入することも視野に入れています。

一方で、行政のデジタル化に向けた取組は、発展途上の段階でもあります。先日、東京証券取引所がシステム障害により、終日すべての株式売買を停止したという報道や、NTTドコモの「ドコモ口座」を不正利用して他人の預金口座からお金を引き出すといった事件などもありましたが、こうした脆弱性(ぜいじゃくせい)への対応も大きな課題です。

今後、行政のデジタル化については、その利便性とリスクのバランスをとりながら推進する必要がありますが、市役所のサービスが手のひらの中で完結できる時代が間違いなくやってきます。

いかなるサービスにICTを活用するべきか・・・。地域コミュニティ活動など、人と人との「つながり」や、「温もり」は消し去ってはならないということも頭に、着実に、大胆に歩みを進めていきたいと考えています。

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