水害に強いまちになるために
毎月発行している広報しきに連載中の市長コラム「以心伝心」に掲載された内容を掲載しています。
令和3年8月号掲載分
水害に強いまちになるために
まん延防止重点措置が講じられている中、皆さまには感染防止にご協力をいただいておりますこと深く感謝申し上げます。
新型コロナウイルスワクチンの接種状況については、国からのワクチン供給量の減少の影響により、大変残念ではありますが、8月からの予約枠を3割程度減らす調整をすることといたしました。しかしながら、この原稿をしたためている7月15日時点で1回目の接種率が27.7%と着実に接種を進めており、1日でも早く、希望する市民の皆さまの接種が完了できるよう、引き続き環境整備に努めていきます。
長い梅雨も明け、いよいよ夏本番という陽気になってきましたが、この時期に心配されるのが台風や集中豪雨による水害です。7月に静岡県熱海市を襲った大雨による大規模な土砂災害は、多くの尊い命が奪われ、未だ安否の分からない方もいる甚大な被害をもたらしました。被害に遭われた方のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆さまに心からお見舞い申し上げます。
本市においても、荒川・新河岸川・柳瀬川の3本の川に囲まれており、自然が豊かである一方、河川の氾濫などの自然災害と幾度となく戦ってきた歴史があります。しかし、国では時間雨量50mmまでの整備や対策を指針としていることから、本市のみならず、全国的にも、これを超えるような雨が長時間続くと、排水が追いつかず浸水などの危険性が高くなります。
このようなことからも、本市ではこれまで道路横断側溝の整備をはじめ、河川監視カメラや各町内会への土のうBOXの設置などの水害対策を進めてきたところであり、新たに始まった「しき躍進計画35」でも、水害対策を重要な取組の1つと位置づけ、今後も荒川水系の「羽根倉橋右岸堤防」や「荒川第二・三調節池」、柳瀬川左岸の「水谷調節池」の早期整備に向け、国や県に働きかけていきます。
一方、今年の5月20日に災害対策基本法が改正され、「避難勧告」が廃止となり、これまでの「避難勧告」のタイミングで、対象地域の市民全員が必ず避難することを示す「避難指示」を発令することになりました。
本市では、市民自らが円滑に避難できるよう、「地区別防災ガイドブック」の作成を進めており、現在、令和元年東日本台風で「避難指示」が出された地域への配布が完了しました。今後、浸水や越水の危険がある場合は、空振りを恐れずに「避難指示」を発令していきますので、皆さまにおかれましても、安全に避難できるよう、情報を取りにいく姿勢を大切に、ご家庭での「マイ・タイムライン(防災行動計画)」の作成やハザードマップの確認など、日ごろから防災の備えをお願いします。