台風9号を教訓に
毎月発行している広報しきに連載中の市長コラム「以心伝心」に掲載された内容を掲載しています。
平成28年10月掲載分
台風9号を教訓に
8月22日、関東地方に11年ぶりに上陸した台風9号は、本市だけでなく、各地に大きな被害をもたらしました。今回の台風で被害を受けられた皆様に心からお見舞い申し上げますとともに、改めて、今回の災害対応について振り返りたいと思います。
市では、今回の台風9号の接近に伴い、22日の午前5時前に職員が参集し、情報収集を行うとともに、午前11時に災害対策本部を設置しました。また、降雨量の増加に備えて、自動稼働する館第一排水ポンプ場や郷士排水機場などに加え、可搬式排水ポンプの稼働を職員に指示し、建設業防災協力会の皆さんとともに水位を監視しながらポンプの運転を行いました。
しかし、午後0時から1時頃にかけて、柳瀬川上流域の狭山・所沢地域で時間雨量76.5ミリという記録的な降雨があり、柳瀬川の水位が急激に上昇したことから、市内でも、一部の堤防で越水のおそれが生じ、午後1時20分、志木小学校及び志木第三小学校に避難所を開設し、柏町1丁目と2丁目に避難勧告を発令したところです。幸いにして、越水は起こらず、午後8時には避難勧告を解除しました。
本市では、内水対策として、近隣市と同様に、県の基準でもある時間最大雨量50ミリを基準として排水施設や雨水管の整備を実施しており、また、台風9号の接近から本部解散に至るすべての時間において、排水機場や可搬式排水ポンプは正常、かつ、適正に稼働していました。
しかしながら、今回、午前10時40分から11時30分までの間に排水能力を超える時間雨量59ミリの降雨があったことから、残念ながら、床上浸水17棟、床下浸水60棟、道路冠水30か所の被害が発生してしまいました。
市としましても、今回の台風を教訓とし、道路冠水箇所における排水施設の改修工事などを実施し、適正な維持管理を行うとともに、迅速、確実、円滑に災害対策が行えるよう、引き続き体制を強化してまいります。また、ご近所同士での集水桝の点検や町内会との連携など、市民力の中でも災害に強いまちづくりに力をお貸しいただきますよう、お願い申し上げます。