館地区保育事業の継続に向けて
毎月発行している広報しきに連載中の市長コラム「以心伝心」に掲載された内容を掲載しています。
平成28年11月号掲載分
館地区保育事業の継続に向けて
園舎の老朽化が進む館保育園は、平成30年度まで公立保育園として保育事業を継続することとしていますが、これまで市では、平成31年度以降の館保育園のあり方について、どのような方向性が適切なのか、保育園の廃園を含めて検討をしてまいりました。
その結果、保育需要が高まっていること、そして、やがて来る人口減少社会を見据えて、若い世代が本市に移り住むための環境整備が必要なこと、さらに、市全体としての公共施設の適正配置や、今後維持補修に係る財政負担等を総合的に判断し、保育園の廃園ではなく「民営化による保育事業継続」との方針の素案をまとめました。
今年9月には、この素案をもとに意見公募を実施しましたが、多くの皆さんからご意見をいただき、改めて館保育園に対する関心の高さを実感したところです。
いただいた多くは、「館保育園を公立保育園として残してほしい」とのご意見でありましたが、市単独で増加する保育需要に対応することは難しく、民間保育園で運営することにより、国や県から多くの補助金が交付されることから、待機児童を一人でも多く解消することはもとより、将来の世代に負担を残さずに、安心して保育を受けられる環境を整備することは、市の大きな責務と認識しています。
市は、これまでも民間保育園の整備に努めてきました。この結果、現在、市内保育園全体の定員のうち、約3分の2が民間保育園で運営され、必要な保育の水準を確保し、各園それぞれに特色のある保育事業を展開しながら、本市の保育行政の大きな一翼を担っていただいている状況です。
さらに、館保育園の位置する館地区は、市内で最も高齢化が進んでおり、新しい子育て世代の皆さんに転入していただくためにも、廃園でなく館地域に保育事業をしっかりと継続しながら、今後、世代間交流の拠点としても位置づけるなど、さまざまなノウハウを取り入れた保育園が必要と考えているところです。
志木市の将来を担う子どもたちは大切な宝物。引き続き、保育事業を適切に進めるとともに、人口減少や長寿社会を見据えた持続可能な志木市という視点も大切にしつつ、今後の方針を決定していきます。