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人生100年時代の到来

毎月発行している広報しきに連載中の市長コラム「以心伝心」に掲載された内容を掲載しています。

平成29年10月号掲載分

人生100年時代の到来

 

皆さんこんにちは。
イギリスのロンドンビジネススクール、リンダ・グラットン教授の著書「LIFE SHIFT」が世界中で注目を浴びているのをご存じでしょうか。
その著書の中で、世界の平均寿命は、1840年からずっと、10年に2~3歳のペースで延び続けていて、2007年に先進国で生まれた子どもたちの半数は100歳以上まで、日本の子どもたちに至っては、107歳まで生きることになるとグラットン教授は指摘しています。
我が国でも、健康で働く高齢者が増えていることから、先月政府は、新たに掲げた看板政策「人づくり革命」の具体策を議論するための有識者会議「人生100年時代構想会議」を設置し、グラットン教授もメンバーの一人として加わる中「すべての人に開かれた教育機会の確保や学び直し」「高等教育改革」「企業の人材採用の多元化と高齢者雇用」「高齢者保障が中心となっている社会保障の全世代型への改革」など、教育や雇用、社会保障など幅広い分野で長寿社会を見据えた制度改革に向けて、議論がスタートしたところです。
平成29年9月時点での、埼玉県の100歳以上の人口は2,339人。10年前の平成19年の923人に比べて、2.5倍以上に増えています。もはや、県内63市町のうち、100歳以上の人がいない市町村はありません。
志木市においても、今年度新たに100歳を迎える方は11人。これで100歳を超える方は26人になりました。10年前の9人と比べても約3倍に増えている現状です。
これを見ても、グラットン教授の「日本の子どもたちは107歳まで生きる」という説は、現実味を帯びてきていると言えます。「四十、五十ははなたれ小僧。六十、七十は働き盛り。九十になって迎えに来たら、百まで待てと追い返せ」。この言葉は、幕末から大正初期に活躍した「日本資本主義の父」ともいわれる渋沢栄一翁の言葉です。渋沢栄一は、すでにこの頃から将来の日本の長寿化を予期していたのかもしれません。
新聞報道によれば、構想会議の会合後、グラットン教授は、「私たちはもっと健康的に老いていくことについて考えないといけない」と語ったとのこと。人生100年時代の到来!志木市もまちづくりの柱のひとつである「健康寿命日本一」を目指しながら、将来を見据え、発想の転換の必要性を皆さんと共有しながらまちづくりを進めていかなくてはなりません。

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