平成30年度の予算編成
毎月発行している広報しきに連載中の市長コラム「以心伝心」に掲載された内容を掲載しています。
平成29年11月号掲載分
平成30年度の予算編成
皆さんこんにちは。
平成29年も残すところあと2か月、早いもので、もう、来年のことを考えなければなりません。市では、先月から平成30年度予算の編成をスタートさせました。
9月27日に閉会した志木市議会第3回定例会では、私が提出した志木市の平成28年度決算を、議員の皆さまによって慎重に審議していただきました。
注視すべき点は、平成28年度の決算において、経常収支比率が94.3%となり、過去に類を見ない高い数値となった点です。経常収支比率とは、市税や地方交付税などを中心とする毎年度継続的に収入される一般財源が、社会保障の一環として支出される扶助費や、借入金の元金や利子の支払いに必要な公債費などの毎年度継続的に支出される経費に、どの程度使われているのかを示す指標で、一般にこの比率が90%を超えると、新たな政策的経費に充当する財源が少なくなることからも、財政の硬直化が進んだ状態にあると言われています。
経常収支比率が高くなった理由は、民間保育園の積極的誘致により、運営に対する助成費などが増加したことも大きな要因であり、平成29年度以降も同様の傾向は続くものと考えます。この数字をもって、志木市の財政状況が悪化の途をたどっていると考えるのはやや早計ではあるものの、保育の需要増や長寿化に伴う民生費増により、経常収支比率が高い傾向にあることは、全国の自治体でも共通する課題であるとも言えます。
このようなことから、志木市では先月はじめに、平成30年度の予算編成のスタートにあたっての予算編成方針を作成し、将来を見据え、5つの視点で予算の編成を指示したところです。
1.志木市の将来を見据えた「まちづくり新35の実行計画」を着実に推進するための予算を計上すること。
2.志木市新行政改革プランにおける「事務事業の見直し」の検証結果に基づき、必要な見直しを行った予算を計上すること。
3.サマーレビュー及び事業判定会の結果や、職員からの業務改善等の提案を踏まえ、予算編成に反映させていくこと。
4.国・県等の補助金を積極的に活用するなど、財源の確保に関する情報収集に努めること。
5.全国に志木市の取組を発信することができるような豊かな発想のもと、他自治体に先駆けた新しいアイデアを積極的に取り入れ、将来ビジョンに掲げたまちの将来像の実現に向け、戦略プロジェクトを具現化する事業を計上すること。
いよいよ平成30年度に向けて本格的な編成作業がはじまります。私は、今回職員へ向けて示したこれらの方針に基づき、各部門と予算案について議論を戦わせ、市民の皆さんに喜ばれる視点を大切に、全力で予算編成に取り組んでいきます。