子どもの笑顔を守り抜く
毎月発行している広報しきに連載中の市長コラム「以心伝心」に掲載された内容を掲載しています。
平成30年7月号掲載分
子どもの笑顔を守り抜く
「もうパパとママにいわれなくても しっかりとじぶんか らきょうよりもっともっと あしたはできるようにするから もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいし ます ほんとうにもうおなじことはしません ゆるして きのう ぜんぜんできてなかったこと これまでまいにちやってきた ことをなおします これまでどれだけあほみたいにあそんでいたか あそぶっ てあほみたいなことやめるので もうぜったいぜったいやら ないからね ぜったいぜったいやくそくします」
これは、今年3月に東京都目黒区で亡くなった5歳の船戸結愛(ふなとゆあ)さんが、一生懸命練習したひらがなで書き残した必死の声。
暴行を受け、今年の1月頃から十分な食事を与えられず、真冬に暖房も室内灯も無い部屋に放置され、衰弱死してしまった、胸が締め付けられる痛ましい事件でした。
志木市においても、児童虐待「ゼロ」を目指していますが、このような悲しい事件を発生させてはならないと、改めてオレンジリボンを手に強く感じています。
厚生労働省によりますと、平成28年の児童虐待の相談件数は122,575件で、平成24年と比べて約2倍に伸びており、本市においても平成25年度の児童虐待相談件数は138件でしたが、平成29年度は216件と伸びている状況です。
その一方で、相談件数に対する児童相談所のマンパワー不足は解消されておらず、また、自治体と警察との連携についても法整備が整っていない状況で、情報共有の基準が曖昧(あいまい)になるなど、防げたはずの虐待死を食い止めきれない実態があります。
それぞれ一つの機関で対応できるほど児童虐待は簡単な問題ではありません。事件性が有る無しに関わらず、関係機関としっかりとした情報共有、そして緊密な連携を図っていくことが重要で、埼玉県でも児童虐待が疑われるすべての事案で警察と情報共有するという指針を打ち出したところであり、国においても早急に対策を講じる必要があると考えます。
児童虐待を防止するための通報は、市民の義務でもあります。地域のあたたかいまなざしと実行が、子どもを救い、ひいては虐待をしてしまう親も救うことになります。
未来の志木市を担う小さな命をしっかりと守るためにも、おかしいと思ったら躊躇(ちゅうちょ)せずに警察や児童相談所全国共通ダイヤル[☎189]、または志木市児童虐待ホットライン048(473)1124]に連絡をお願いします。