決算書を見ながら…
毎月発行している広報しきに連載中の市長コラム「以心伝心」に掲載された内容を掲載しています。
令和元年11月号掲載分
決算書を見ながら…
今月号の広報では、市民の皆さんに昨年度の市の決算状況をご報告しています。
前年度と決算を比較しますと、市の主な収入である市民税や固定資産税は微増傾向にありますが、福祉や子育ての経費を主とした扶助費が増加しています。全国の多くの自治体と同様に、志木市でも扶助費などの社会保障関係経費が年々増え、市が自由に使える財源が減少しており、いわゆる財政の硬直化が進んでいる状況です。
しかしながら、財政の健全度を表す指標に目を向けると、市の債務の状態を表す「実質公債費比率」については、県内の市では良い方から数えて2位、将来世代への負担を表す「将来負担比率」については実質ゼロと、現時点では健全な財政を維持できているといえます。
また、ある大手不動産会社による住みよさランキングを見ると、志木市は埼玉県内63市町村中7位、項目別の順位においては、安心度は2位、快適度は7位にランクインしており、全国的に人口減少が叫ばれる中にあっても人口の増加が続くなど、住みやすいまちと評価されています。今後もこうした評価を維持していくためには、健全な財政運営と将来の成長に向けた投資をバランス良く進めなければなりません。
このような中、市の価値を高めるべく、面的整備においては、令和3年度に一部区間で開通が予定されている一般国道254号バイパスについて、開通後の沿道状況を見据えたまちづくりについての検討に着手しています。また、志木駅から市役所までの中央通停車場線についても、玄関口のペデストリアンデッキや、いろは親水公園の活用を含めたさらなるにぎわいづくりを進める視点からも、第3工区の拡幅に向けて埼玉県に対して積極的な要望活動を行っています。
加えて市の公共施設は、老朽化している施設も多いことから、将来世代にツケを残さないためにも、公共施設のマネジメントの取組もスタートしています。
毎年、決算の時期になると、「志木市は市税や水道料金が高い!」とのご意見をいただくことがありますが、市税については法律で定められており、他の自治体と税率は同様で、志木市が特別に高いということにはなりません。また、水道料金については、視点を変えてみますと、志木市では施設の更新や耐震化が進んでいるという証でもあるのです。
改めて将来にわたり志木市の価値を高めていくため、皆さんからお預かりした貴重な財源を原資に、しっかりとした行財政運営を進めていく!という強い思いを胸に、決算書を見ています。