健全な財政運営に向けて
毎月発行している広報しきに連載中の市長コラム「以心伝心」に掲載された内容を掲載しています。
令和4年9月号掲載分
健全な財政運営に向けて
新庁舎での業務がスタートして、早いもので1か月半が経過しました。7月31日に開催した新庁舎等完成記念イベントでは、およそ2万人が参加され、新庁舎とリニューアルしたいろは親水公園の門出をお祝いしていただきました。市内在住・在学など志木市に縁のある方々1,500名の皆さまに支えられた、まさに市民力の結晶で創られた一大イベントを前に改めて志木市の活気と元気を強く感じました。
さて、新庁舎建設という一つの大きな事業が完了しましたが、間を空けず、市民会館・市民体育館の再整備が控えている中、「市の財政は大丈夫?」との声もいただきます。
「志木市民会館及び志木市民体育館再整備基本計画」を策定した時点で試算した整備費はおよそ64億円であり、この財源としては、地方債(借金)およそ54億円、公共施設安心安全化基金(施設の改修等に備えた市の貯金)およそ10億円を予定しています。
一方、志木市では市制施行50年を迎えた中、老朽化の進む公共施設の更新も進めており、新庁舎建設事業費の借入が全て完了する令和4年度末における一般会計地方債残高はおよそ242億円(市民一人当たりおよそ32万円)、市民会館・市民体育館再整備事業費の借入後はおよそ278億円(市民一人当たりおよそ36万円)となる見込みです。
しかし、施設の複合化や集約化の整備手法を用いることで、地方債の返済に対して国の財政支援を受けることができることからも、市民会館・市民体育館の再整備について、複合施設にすることで、およそ30億円の国の財政支援を得ることが可能となり、実質的な市の財政負担の軽減につなげていきます。
現在開会中の志木市議会9月定例会で審議いただいております令和3年度の決算では、一般会計の歳入歳出差引額がおよそ27億円の黒字となっています。この黒字額から令和4年度へ繰り越した財源などを整理したうえで、今後の備えとしての基金に積み立てた結果、公共施設安心安全化基金残高はおよそ21億円となる見込みであり、市民会館・市民体育館の再整備に必要な財源もしっかり確保している状況です。また、市の財政状況を判断する指標である健全化判断比率についても、全ての指標において基準値を大きく下回っており、良好な財政状況を保っています。
決算が終われば、息つく間もなく令和5年度の予算編成がスタートします。子育てや介護などの社会保障費の増加や、老朽化が進む公共施設の更新など、これらの課題解決は待ったなし。先送りしない信念を胸に経費削減にも知恵を絞りながら、あらゆる工夫により50年先も見据えた健全な市政運営に職員と一丸となって取り組んでいきます。